コロナウイルスが猛威を振るう中、海外では外出先でワクチン接種の証明書を提示する機会が増えています。
その流れもあってか、一般社団法人「メディカルチェック推進機構」と、その加盟団体であるIT医療ベンチャー「ICheck」がワクチン接種記録アプリ『ワクパス』を10月6日に発表しました。

『ワクパス』とは一体どんなサービスなのか、どんな懸念があるのかをまとめていきます。
ワクパスとは?
ワクパスとは、アプリを用いたワクチン接種証明アプリです。android、iOSで発表される見通しとなっています。

登録には
・接種書類(接種済証か接種証明書)

(上記の画像の水色で囲われている部分が接種済証です。ワクチン接種を行った人には全て配布されているので、登録の際はこちらを利用するといいでしょう。)
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、パスポートのいずれか)
の2点が必要となります。
これらを撮影してアップロードすることで、登録が完了します。
難しい手続きはなく、簡単に登録できるみたいですね。
ワクパス優待券
ワクパスでは、これらの接種証明書を協賛企業に提示すると、優待を受けることができます。
ワクパスの優待の画面を店員さんに提示するだけで優待が受けれるんです!
現在アパホテルやかっぱ寿司など全10社(今後拡大していく見通し)が加盟しており、それぞれでサービスを受けることができます。
例えばアパホテルはチェックアウトの時間を無料で1時間延長できたり、かっぱ寿司では会計価格の10%OFFなどの優待を受けることができます。
ワクチンを接種しただけでサービスを利用できるので、お得感がありますね!
今後、協賛企業は増えていくと思われるので、さまざまな優待が受けれることになると思われます。
個人情報の流出や未接種差別の懸念も…
優待が受けれるサービスではありますが、さまざまな懸念も生じています。
個人情報の流出
まず第一に、個人情報の流出の恐れです。
登録が簡易手続きのため、詐欺に利用されるのではないかという点です。ワクパスに似せた悪質な詐欺アプリが流行する恐れがあります。
また、国が一貫して主導しているわけではなく、民間企業のサービスであるためセキュリティの不安や似たようなサービスが乱立して利用者がどれを選べばいいか困ってしまう事態に陥る可能性も。
ワクチン未接種者への差別も…
現在、国内のワクチン接種状況は2021年10月5日時点で全人口の約72%です。(接種一回目:首相官邸データより)
ワクチン接種の体制は十分に整っており、またワクチンは強制されているものではないので、ワクチン接種は人口の80%程度に収束すると思われます。
そうなると、ワクパスでは人口の8割が優待を受ける権利を持つことになります。協賛企業は国からの補助を受けるわけではないので、ワクパスでの優待をベースにサービスが提供され、未接種者はそのサービス分を実質負担する形になっていく可能性があります。
また、接種者・未接種者が浮き彫りになることで、未接種者に対して入店拒否するなどの差別が加速する恐れがあります。
フランスやアメリカで未接種者に対する差別のデモが発生しているように、国内でもそういった動きを生む原因になるかもしれませんね。
さいごに
『ワクパス』によって経済が活性化される期待がある一方、さまざまな懸念が生まれています。
サービスが普及した際には、一長一短を正しく理解して利用することが求められるでしょう。
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